超音波溶着で良く出てくるワード『振幅』について書きます。
振幅とは文字通り振動の幅で、単位はμm(マイクロメーター)です。ミクロンと言う場合もありますが正確ではありません。でも通じます。
超音波溶着の世界では、数十μmあたりの話になります。
少し注意しなければならないのは、振幅はふつうP-P(PEAK TO PEAK)で表しますが、たまに0-P(ZERO TO PEAK)で表す場合もあります。
単純に前者は後者の2倍ですから、間違えれば大変な事になります。振幅は大きくなればなるほど工具ホーンが破断するリスクが増大します。
これは形状に大きく左右されるので、何十μmが限界だと言い切る事は出来ません。
しかしながら、物を溶かすという事だけで言うと、ほとんどの場合、振幅は大きければ大きいほど良いと言い切れます。
例えば、溶着が上手くいかず溶着条件を色々変えてもダメな場合に、振幅を10%上げれば一瞬で解決したなんて事は数多くあります。
ですので、今でも工具ホーン製作の際には、少し高めの振幅で取りあえずは製作してしまうという悪い癖がついてしまっています(笑)