超音波溶着とは「原理・メリット」

超音波溶着のおはなし

超音波溶着の原理

工具ホーンの先端部を成型品に押し当てる事により、その成形品は工具ホーンの振動とほぼ同じ様に同期振動します。ここに圧力を加える事により、もう一方の成型品との接触面に摩擦熱が発生します。

その熱により接触部(接触部付近も)の成型品が軟化・溶融し、お互いの分子が結合もしくは機械的に接合される事により、溶着という事になります。

つまりは、超音波による振動エネルギーが合成樹脂の内部を発熱させて、「軟化溶融現象」が起こって合成樹脂同士が接合されるのです。

これは金属接合においてもほとんど同様です。超音波振動で金属同士の接合面に摩擦熱(摩擦力)が生じ、金属表面の酸化皮膜が破壊されて接合されます。

振動エネルギー発生の原理

50/60Hzの電力の電気信号を、超音波発振器(アンプ)で超音波領域の高い電気的周波数に変換します。この高周波電気エネルギーをセラミック圧電素子で構成される振動部(コンバータ)により、機械振動エネルギー(物理的なエネルギー)に変換されます。

超音波溶着機の溶着の仕組み

工具ホーン部分の縦の振動にほぼ共振し、溶着部分に振動と荷重を与えます。形状等を工夫し、溶着部に振動エネルギーを集中させ摩擦熱を起こし、溶着します。

振動エネルギーに関して

超音波溶着機の発振器で15kHzから40kHzの低周波の電力を作り出します。
その電力を振動部に与えると、セラミック製の圧電素子の部分が数μⅿ程度伸縮します。
この数μⅿの振動を数十μm程度まで工具ホーンで増幅します。
これが超音波溶着機より創出される振動エネルギーとなります。

超音波溶着のメリット

シンプルかつ火を使わない安全性

超音波溶着はシンプルな原理です。非常に微細な振動(数十μⅿ)を与え、ほぼ溶着面のみが発熱するので、火(過度の熱)を使わない非常に安全性が高い溶着工法です。

低コストの実現

直接的な熱源ではないため、電力消費は非常に少なくて済みます。また、接着剤・ネジ・パッキン等の消耗材を必要としないためランニングコストが抑えられるので、加工単価も下がり大きなメリットを生みます。比較的自動化も行いやすいため、さらなるコスト削減も期待できます。

多彩なニーズにハイスピード・ハイクオリティ

最大の特徴が、溶着サイクルが非常に早いという事です。一般的に溶着自体の時間は1秒以内です。冷却時間とプレス上下時間を含んでも数秒以内のサイクルになります。仕上がりが綺麗なためハイクオリティな溶着を実現できます。焦げ等で臭いがしないので、環境面にも配慮されています。

役立つ導入事例

ここには、非常に簡潔な文章で書かせてもらいますが、その他の詳しい事例はこちらで紹介しています。

事例その1

自動車部品の溶着に導入して、生産効率がアップした事例をご紹介します。

近年、自動車部品は金属部品から樹脂部品に置き換えが進んでいます。燃費効率を上げるため、車体の軽量化が非常に重要になっているからです。自動車は、過酷な環境下での使用も想定されており、何か不具合があれば人命にも関わってしまいます。よって溶着の品質は、非常に高い水準でなくてはなりません。

事例その2

食品保存における気密性と安全性の両立をご紹介します。

風味や賞味期限の観点から気密性は不可欠で、安全性も同時に求められます。接着剤は異物混入の恐れがあるため使用できません。こうしたケースにも超音波溶着は活躍しています。

事例その3

不織布の加工にも数多く使用されています。

不織布はマスクだけでなく、おむつや女性用品・介護用品を製造する上で用いられる一般的な素材です。不織布の加工では衛生的である事はもちろん、製品が直接人に触れるので、肌触りが非常に重要です。超音波溶着は、局所加熱で必要最低限の熱量になります。よって溶着部以外の風合いは残されており、直接的な熱溶着よりも肌触りが良くなります。また、動くたびに擦れたり引っ張られる製品が多いので、強度が保たれる必要があります。超音波溶着であれば、どれらの要件も満たすことが可能です。

miyake

miyake

20年間プラスチックの溶着の世界に身を置いています。本来外部には秘密にしておきたい内容もここには掲載しています。超音波溶着に関する知識やTipsをできるだけ余すところなく発信しています。ご質問があればお気軽にお問い合わせください。

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