雨樋(雨どい) (PVC溶着)
PVC(塩ビ)の溶着でした。
塩ビの成型品の溶着は、数える程度しか経験がありません。
マニュアル通りでは、振幅は低め、リブ(溶けシロ)角度は鈍角となっています。
振幅を高くし過剰に溶かしてしまうと、焦げて塩化水素が多く発生するためです。
しかし塩ビは伝達特性が悪いので、振幅が低いと溶着界面まで振動が伝わりません。
また、成型品のヒケも大きい為、工具ホーンを当てたいリブ直上の部分が凹みますので、
溶着時に打痕が発生しやすく外観をきれいに仕上げる事も非常に難しいです。
よって、結局は振幅を高めに設定します。
振幅を当てたい部分に効率良く当たらないので、高い振幅を『本来当てたい付近』から伝えてやるしかありません。
そして、なるべく短時間で溶着してしまい塩化水素の発生する時間を短くする事が最善の方法となります。
また、表面処理も大切になります。
塩化水素は極めて強い腐食性を持っていますので、微量の発生でも長い年月が経てば、鉄ネジが折れてしまう事もあります。
20年以上前ですが、塩ビ=ダイオキシンの様に、『悪の根源』的な扱われ方をした時代がありました。
確かに適正に処理しなかった場合は問題ですが、決められた処理方法を適切に行えば何ら問題のない事も分かってきています。
耐候性に優れていますし、他の樹脂に比べると原料となる石油の使用料も少なく、非常に安価であるなどの優れた面が多くあります。
『超音波溶着』とは違う『高周波溶着』という工法にも適しており、工法の選択という事も非常に大切になってきます。
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