小型温度ヒューズ(LCP)

超音波溶着の実績例

液晶ポリマー(LCP)の溶着でした。

2mm×4mmの非常に小さい商品でしたので、デリケートな案件になるであろうと想像していました。

しかしふたを開けてみると、ライバルの超音波メーカーが非常に大きな機械で無理矢理な溶着を行っていました。
しかも10台以上!無理矢理というのは、エア圧力はプレスが動く最低限のエア圧力の設定とし、振幅も考えられる最低の振幅設定にし、溶着時間に至っては0.1秒以下(ここまで数値が小さくなると、小さなバラつきが非常に大きなリスクになるので、常に溶着時間は0.2秒以上にする様に心がけています。)という驚愕の設定値でした。

この溶着は、横振動という超音波ウェルダーを使用しました。

従来の溶着は、振幅が縦方向に振動する縦振動を使用しています。

要するに、商品へ打撃を加えて摩擦熱を発生させているという事になります。(※縦振動と横振動の件は、また別の機会にアップします。)よって、商品が打撃に耐えられなければなりません。
様々な条件がありますが、今回の子の商品へは横振動が最適であると判断しました。
まあ、ライバルメーカーもそこまでは同じで、横振動タイプの超音波ウェルダーを納入していました。
ただし周波数が20kHzでしたので、こちらは40kHzを持って行きました。
周波数を上げると、理論上の発熱効率は倍以上となります。
また必然的に、周波数が高くなると出力も下がってしまい、結果的に機械も小さくなります。
テスト結果としては、エア圧力・振幅・溶着時間ともに常識的な設定値になり、大成功となりました。
その後の余談があります。他の担当者から溶着時間が長いとのクレームが入りました。

私としては、ある意味溶着時間が短すぎる事が不具合の要因であり、溶着時間を延ばす事が今回の使命だと思っていたぐらいなので、ちょっと残念ではありました。

※写真はイメージになります。
miyake

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20年間プラスチックの溶着の世界に身を置いています。本来外部には秘密にしておきたい内容もここには掲載しています。超音波溶着に関する知識やTipsをできるだけ余すところなく発信しています。ご質問があればお気軽にお問い合わせください。

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