ナイロン(PA)の溶着でした。
電熱線を中にセットして溶着します。
溶着対象物が非常に複雑な形状をしていたので、溶着時に傷が出ない様に、工具ホーンと受治具を調整していく事にかなりの労力を費やしました。
またナイロンは吸水性が非常に高く、吸水すると柔らかくなり振動を吸収してしまいます。
吸水している状態と吸水していない状態の性質の差が非常に大きい為、ナイロンを溶着する際は、溶着前の成形品の管理が非常に大切です。
どちらの状態でも良いので、量産時は一方の状態に管理する必要があります。
多くの場合は吸水させない方が良い条件が出るので、成型直後にエアバリア性のあるアルミ袋に乾燥剤と入れるという方法をお勧めしています。
そして、なるべく期間を開けないうちに超音波溶着を行います。
当時(10年前?)は、何とかOKを貰いましたが、私の中では『記録』よりも『記憶』に残る案件となりました。